アルプス3大名峰 & 独仏駆け抜け


関空からKLMオランダ航空に身をゆだね、オランダのスキポール空港で乗り継ぎ、
ドイツはフランクフルト空港に降り立つ。
空港を歩く途中見覚えのあるゴミ箱が目に入った。
この前ここを通ったときは細君と一緒、今回は留守宅を任せての一人旅だ。

これからスイス最終日まで1週間の付き合いになるドライバーのウーベさん運転のバスに乗り込む。
関空からのツアー客は新婚さん2組を含む34名、ベテラン添乗員は宮野さん。

このツアー、ドイツでライン下り、ロマンチック街道を駆け抜け、
オーストリア、リヒテンシュタインを経て、スイスに入る。
スイスではアルプス3大名峰を間近に眺めた後、新幹線TGVでフランスへ走り、パリを散策する。
関空発2005年9月26日から関空着10月6日まで11日間の長丁場は、こうして始まった。





名峰ユングフラウ


名峰ユングフラウを目指すための基地グリンデルワルトに着いたのは日本を出てから4日目の夕刻。明日、いよいよ名峰ユングフラウを見ることになる。ホテルはサンスター。

ドイツのライン下り、ロマンチック街道を経たあと、スイスのルツェルンからここへ来る途中バスが、放牧から家に帰る牛の集団に会って渋滞、牧畜のスイスらしいアクシデントも・・・。
事故による遅れの埋め合わせにか、ディナーの席では添乗員さんのおごりでワインが配られる。

町から見える高い山はシュレックホルンとアイガー。朝早く両山とも見ることができた。


ユングフラウを間近に見るためユングフラウ鉄道に乗り、途中クライネ・シャイデックで乗り換えてユングフラウヨッホまで登る。

出発地グリンデルワルトは標高1034m、乗換駅は2061m、終着ユングフラウヨッホ駅は3454m。ヨーロッパの駅では最も高い鉄道駅、トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれる。

ユングフラウの高さは4158m。


乗換駅まではスイスの山や村を眺めながら、鉄道は高度を上げてゆく。

急傾斜を上り下りするためのアプト式鉄道で、2本のレールの中央に歯車がかみ合う歯形軌道がある。

眼下に広がるのはアルプスの美しい村々と、そして峨々たるアイガーの雄姿。


クライネ・シャイデックで一旦乗り換える。

乗り換えてしばらくすると長いトンネルに入る。アイガーの岩山の中だ。


トンネルの途中、2865m地点のアイガーワント(アイガーの壁)と3160m地点のアイスメーア(氷の海)にトンネル内停車駅があり、客車から降りて外を眺められるようにアイガー北壁に窓穴を開けてある。

(左)はアイガーワントから覗くと雄大な山並みが眼前に広がる。
(右)アイスメーアの窓から見えるのはアイガーから流れ出る大氷河。

終着駅はユングフラウヨッホ、3454mだ。標高差2400m余を1時間足らずで登りきる。

富士山に近い高さまで一気に登るため、酸素の薄さが感じられ、早足で歩くと息が荒くなり、頭がふーっとなる。ゆっくり歩こう。

駅舎はレストラン、ショップなどが備わった複合施設になっていて、トップ・オブ・ヨーロッパから郵便を出す。なぜか日本の赤いポストもある。


駅からエレベーターで昇ると標高3471mのスフィンクス展望台。360度眺望できる。

右端に間近に聳えるのが名峰ユングフラウ、その左に見えるのがメンヒ。


アイガーは少年、ユングフラウは少女。二人の間にメンヒ(修道士)がいる限り恋する二人は永遠に結ばれない。


360度、どちらを向いても雲にかかる雪の峰と氷河。白とブルーの世界だ。


ユングフラウを背に記念撮影。

風が吹くと、ワイヤやポールなどに付いた氷が粉となって散ってくる。トップ・オブ・ヨーロッパを実感する瞬間だ。


スフィンクス展望台の反対側に「氷の宮殿」がある。
氷河の中を掘ったトンネル内に氷の彫塑が数多くあり、目を楽しませてくれる。

滑って転ばないよう手すりを持ちそろりそろりと歩く。


下りは乗換駅クライネ・シャイデック近くの山上レストランで昼食をとり、朝来たとは反対方向に下りる列車に乗る。
車窓からみる風景はのどかなアルプスの村。カウベルを首に吊るした牛が草をはんでいる。

ラウターブルンネンでブーベさんのバスに乗り込み、今夜の宿泊地ツェルマットを目指す。


1時間余り走ったところで珍しいカートレインにバスごと乗り込む。

カートレインは長さは長い列車だが、馬車時代の設計なので幅が狭い。大型観光バスが乗り込むにはドライバーはかなり神経を使うらしい。

カンデルシュテークからゴッペンシュタインまでがカートレインだ。


カートレインから降りたバスは道路をテーシュまで走る。テーシュから先、今夜泊まるツェルマットまでは6〜7kmだが、排気ガス規制のためバスは通ることができない。

バスはテーシュ駅止まり。われわれはツェルマット行きの電車に乗り換える。


ツェルマットでの夕食は、バンド演奏を聴きながらのミートフォンデュ。

今宵のホテルはアンタレス。ツェルマット駅から坂道を歩いてホテルへ。
このホテルも省エネに徹していて、廊下やエレベーターホールなど共用部分は照明が消えている。宿泊客が必要に応じてスイッチを入れるが、3分もすると自動的に消える。この地区のホテルは皆そうなんだろうか。

明日のマッターホルン観光も朝が早いぞ。

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