さあ、これから山へ入ろうと張り切って、ふと目に入った赤い看板をみると「熊出没注意!」とあるではないか。ネットで予め知ってはいたけど、実際にこんなのを見ると恐ろしくもあるが、クマよけの鈴を持って来たのでまずは安心。

 富士登山記念の鈴を派手に鳴らしながら登山口に入る。

 歩き始めて5分もたたないうちにいきなり可憐な花。
 ヒトリシズカ(一人静、センリョウ科)。思わぬ遭遇に心穏やかではいられない。


 前を見上げると、なんとなんとヒトリシズカの群生だ。
 ヒトリシズカがどんな場所に生えているかなど考えてもみなかったので、ただただ驚きだ。

  

 左に谷川のせせらぎ、どこからともなく聞こえてくる小鳥たちのさえずり。


 ワチガイソウ(輪違草、ナデシコ科)? キャンプ場から船木山までの間に点在している。


 ネコノメソウ(猫の目草、ユキノシタ科)の仲間。ヤマネコノメソウ?


 スミレも咲いている。
 スミレの仲間は多いのでどうも区別がつかない。タチツボスミレみたいだけど、どうだか。


 エンレイソウ(延齢草、ユリ科)。輪生した3枚の葉の中心部から花柄を伸ばし、さらに3枚のがく片の先に小さな花をつける。


 ヤマルリソウ(山瑠璃草)。

 山道を登るのはなんとなく浮き浮き感がある。この道の行く先に頂上があるためか。


 石の階段を踏み分けてゆっくり登る。

 沢を渡る。登りに3回渡ったかな。

 船木山までやっと半分。

 ヒノキ林野間をジグザグに縫って登る。
 振り返って下を見ると急坂だ。


 ジグザグ道をえっちらおっちら登ると、あとは直線に近い道になる。
 先が見えるだけに長い道のりがさらに遠くに感じられる。


 やっと県境の分岐点に到達。左に進めば駒の尾山、右に折れると船木山を経て後山だ。

 船木山の山頂近くで兵庫県側を望む。やや霞んでいるが、遠望がきく。

 やっと着いたぞ。
 かわいい花たちに心を奪われながら登って来たので、余り疲れは感じなかった。


 向こうに見えるのが、これから挑もうとする後山だ。

 船木山から後山。標高差11mだが、一旦ぐんぐんと下がってゆく。下った分だけ再び登らなくてはならない。もったいない、もったいないと言いながら、でも整備された道を下ってゆく。

 空は抜けるような青空。

 大木が枯れて倒れている。気象条件が厳しいに違いない。

 勾配が緩やかになってきた。頂上が近づいた証拠だ。
 今日の目標とした後山はもうすぐだ。


 ここが後山の頂だ。
 岡山県最高峰とある。
 兵庫県では板馬見山と呼ばれ、3番目に高い山だという。一つの山が違う名前で呼ばれるのって珍しいと思うけど、どうだろう。


 頂上には無粋にもブルーシートに覆われたものがある。先客に聞いてみるとだという。来週にはブルーシートをはずして山開きのセレモニーがあるとか。

 昼飯には少し早いけど荷物を減らす意味でも食事にしよう。山頂で飲むビールがうまい。


 頂上に着くと記念撮影となる。

 にこやかな山ガール。
 この山に登る人たちの多くは後山キャンプ場からではなく、駒の尾山側から登るのだそうだ。その方がずっと楽らしい。


 南の方向を見下ろせば岡山側の人里。あのあたりから登って来たのだ。

  
 

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