立烏帽子タテエボシ駐車場に到着、まずは比婆山ルートの案内図を見る。

 このあたりに詳しそうな人が話しかけてきた。
 
 この人に同行、案内してもらう。
 まずは立烏帽子山へ。
 道々の話でかなりの山男らしく、全国あちこちの山を征服したらしい。
 今は歳を重ねて近回りを散策、カメラに重きをおいているという。
 このあたりにも相当詳しい。


 
落ち葉を踏んでの歩きは誠に気分爽快だ。

 この道は「古事記の路」。


 道から30メートルのところに
伊邪那美命イザナミノミコトの隠れ穴があるという。

 寄ってみよう。


 岩に囲まれた穴がある。
 案内板によると、
伊邪那岐命イザナギノミコトが伊邪那美命を訪ねてきたとき、夜になったので自分の櫛に火をつけて通ったところといわれる。伊邪那美命がここを通りかかったとき、天から火の雨が降ってきたので、この穴に入って難を逃れたともいう。また、火の神を産んだ伊邪那美命がこの穴で亡くなったともいわれる。

 山はすっかり秋色だ。

 尾根まで登るとここは鞍部(コル)。
 まっすぐ峠を越えると御陵、左に向かうと池の段。
 これから登る立烏帽子山(1,299m)は右へ舵を切る。

 山を赤く彩るのはホツツジとドウダンだそうだ。


 振り返って見ると「池の段」(1,272m)。
 こちらも秋色満載。


 立烏帽子山の山頂に立つ。
 比婆山連山の中では一番高いが、木立があって展望は限られている。

 とりあえず記念写真。


 立烏帽子山から下る途中は見晴らしがよい。

 池の段から見た立烏帽子山。いま、あそこから降りてきたばかりだ。

 池の段山頂に着く。
 石臼みたいな方位盤。影の主は誰?


 池の段からは360度見渡せる。
 大山も見えた。


 柔らかそうな土の盛り上がり。モグラの仕業だそうだ。
 こんな高い山のてっぺんにモグラなんて。



 ケルンに石を積み、何思うや。

 道端の笹の中に何やらありがたそうな石造り。道祖神だろうか。
 賽銭を供えて無事をお願いする。



 池の段からは周辺の山々がよく見渡せる。かつて放牧がなされていた山の名残で大きな木はないのだ。

 ススキも秋の山を演出しているぞ。


 馬酔木のかたまり。中を覗き込んで見て、一本の幹でないことを確認。

 立烏帽子山と池の段との中間地点のコルから北上すると比婆山、いわゆる御陵だ。まずは下ってゆく。

 道のほとりは秋色のカエデで美しく飾られている。

 カエデもいろいろの種類があって、色も多様。

  笹の緑と。

 落ち葉のじゅうたんは足裏に心地よい。

 国指定天然記念物のブナ純林。

 空にすかして見るカエデ。

 ブナの肌は優しい。

 ブナ純林は続く。

 黄色いカエデもいいもんだ。ハウチワカエデ?

 逞しい樹根。踏まれても踏まれても、けなげに耐えて樹体を守る。

 空に向かって枝を増やし続けて太陽の恵みを精一杯受け止める。

 ここは越原越オッパラゴエ。随分変わった名前だ。

 このあたりからまた登ってゆく。

 ブナも年老いて、風にやられて身を裂いたか。倒れた幹や枝はチェーンソーで処理され、道を開けてくれていた。

 このブナの幹、今、一部が我が家で一定の存在感を示している。


 ブナとカエデとクロモジと笹。
 
 案内板によると、

 比婆山のブナ純林(国指定天然記念物)
100ヘクタールにも及ぶ比婆山のブナ林は、日本海型と太平洋型との両方の要素をあわせ持つものとしては、日本のブナ林の最南端である。その内最大のものは胸高幹囲3.6m(県下第一位)にも達する。


 天然記念物になったイチイの古木。

 ちなみに短歌アララギ派のアララギはイチイの古名だそうだ。


 門栂モントガ
 栂はイチイ。一対のイチイがそれぞれ巨石を抱いて茂り、御陵の聖域の門をなしている。

 比婆山のイチイ群

 イチイは常緑の高木で、高さ15〜20m。樹皮は赤褐色で浅く縦裂する。花は3〜4月に開花、種子は10月ごろ成熟する。
 比婆山のイチイ群は伊邪那美命の神跡と伝承される御陵の峰に群生し、いわゆる「七本栂」をはじめ、根回り3m以上のものが2本、1m以上のものが92本などがブナ林の中にある。


 比婆山御陵の案内板によると、

 古事記の記録から、比婆山は、国生みの
神伊邪那美命イザナミノミコトの御陵のある山として、古来より進行を集めている。山頂のブナ純林の中に開けた円丘の中央には、樹齢千年を超える七本のイチイの老木に囲まれ、神伊邪那美命イザナミノミコトの陵墓とされる苔むした巨石が横たわっている。

 このあたり一帯は、比婆山伝説地として広島県史跡に指定されている。


 
御陵近くではすでに弁当を食べている人たち。「一緒に食べましょうよ。」と誘いがかかるが「こちらはビアガーデンを開きま〜す」と応じる。

 ビアガーデンを開く前に伝説の祠や岩のある聖地を一巡りしよう。


 これがイザナミノミコトの陵墓なる巨石か。

 小さな祠。

 缶ビールを開け、エネルギーを摂取しているうちに天候が下山を促すように、冷えてきた。「降りよう」。


 越原越までは来た道を下り、そこからは千引岩経由の路をとる。
 このルートは立烏帽子山の北側中腹を横切る形で、上り下りが比較的少ない。


 千引岩チビキイワの案内板を読むと・・・

 火の神を産んだことがもとで亡くなった伊邪那美命を追って黄泉の国にやって来た伊邪那岐命は、醜い姿になった伊邪那美命の姿に驚き、黄泉の国から逃れ出た。伊邪那美命は怒って黄泉軍を差し向けて追撃。その時飛び越したのが「飛越岩」、軍勢を追い払ったのが「越原」。最後に大石をはさんで「あなたの人草を日に千人絞め殺す」「それなら一日千五百人の産屋を建てる」と二人が問答をなしたことから千引岩と名がついたと・・・。

千引岩の表と裏。
 

 千引岩の間を通り過ぎるとすぐ右手にこの岩。

 さらに山道は続き、最後に急坂を下ると立烏帽子山駐車場。
 タイムは13時30分。天気はまだ悪くはなっていない。

 これから登ろうという人たちがたむろしている。そばらく雑談をしてから、車の人となる。


 途中、温泉の看板が目についたので立ち寄ってみる。
 日帰り入浴できるというので、一風呂浴びることに。

 玄関から急な階段を下りると川に近い風呂。狭くて湯が熱いので印象に残る入浴だった。





 

 


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